本を出したいと思う人は世に多いと思いますが、出版社は通常商業出版を行っているので売れそうな著作でないと、コストをかけて本を作ろうとはしません。
　しかし一方で、著作者が制作費を負担してくれるならば、本を作るノウハウをサービスとして 提供する出版社もあります。
これが、一般的な「自費出版」です。

　現在では、自費出版の他に、共同出版、自己（セルフ）出版という主に3種類の方法が出来ました。
　いずれも編集制作費を著作者が負担することで実現する出版形式ですが、 費用や流通経路が異なります。
　では、以下に詳しくその違いをご案内しましょう。

　

　自費出版の場合は、通常は商業出版と同様の流通にのり、書店やネットで販売されます。

「全国の書店にとにかく一度は自分の本を並べてみたい」という方は、この手段となります。
なお、本の著作権と在庫の持ち分比率については、出版社と著作者の間で都度決められ、一概にこうとは言えませんが、制作費は著作者が負担し、在庫買取分も高額になる場合が多いです。
出版社にとってうま味が多く、著作者にとって不利な事が多いです。

　共同出版の場合は、制作過程は自費出版とほぼ同じと考えて良いと思います。
違いは、書籍の在庫は出版社が持ち、著作者には印税が入ります。
出版社が印刷代金を負担する場合には著作者負担が編集制作費に限定され、 著作者にとって自費出版に比べて費用負担が安くなる事が多いです。
　販売ルートが全国書店流通となるかネット販売のみになるどうかはご相談ですが、 売れる本でないと出版社の負担が増えるため、共同出版の場合は、著作者の持ち込みでというよりは、出版社側からのオファーで制作する事が多いようです。

　初めから流通ルートを書店に頼らずインターネットの「電子書籍」や「オンデマンドプリント（発注後印刷）」に限定する形でも良ければ、セルフ出版が一番コスト的にお安い手段となります。
　何故なら電子書籍やオンデマンドプリントの場合、データは作成するが、紙の本で在庫を持たない為、印刷代金がまるっと浮くわけですね。
　又、オンデマンドプリントの場合、ネットで紙の本としての販売が可能で、発注後に都度データを印刷し製本して発送します。
　特に、テキストベースの作品（小説や詩集、エッセイなど）であれば、編集コストも安く済むのでおすすめです。
　一般的な紙の本との違いは、帯がつかない事位です。